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戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)

価格: ¥961
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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難しいけど掴んだものが確かにある ★★★★☆
読書を習慣にしようと色々本を読んでいて、この本は本屋で手にしたとき、
聞いたことある題目だったので衝動買いに近い感じかな、迷わず買ってしまいました。

四巻すべてを読むのに2ヶ月程かかってしまいました。
未熟者でペースが遅い自分ですので、本書が読みにくかったのが原因ではないと思います。
しかし人物の名前を覚えること、戦闘のシーン、エピローグの総括にはだいぶ苦戦しました。

人物の描写やあらゆる表現のスケールが今まで読んだ本に比べて圧倒的に違い、
のめりこまずには居られませんでした。
主要人物の全編を通しての変化、成長を見ていて感じることが多かったです。
複雑に入り乱れては、寄り添っては引き合う人間関係も魅力だと思います。
そして戦争によって軍人は当然、貴族たちでさえも少なくない影響を与えられ、
生活を変えられ、心境の変化と共に、その人格すらも革新を果たしてゆく。

登場人物らの人生観、幸福観を顕著に表す表現は僕にはとっても刺激的でした。
その分変化の程も著しく表現され、わかりやすさも十分だと思います。

そして作者トルストイによる歴史に対する考察が要所要所に盛り込まれ、
これもまた難しくはあったもの、感じたものは少なからずあります。
民衆の生活の総和、それこそが歴史の波を作ってあるのであり、
戦争の指導者、偉人と呼ばれた人々でさえもその波には逆らうことは出来ない。
万物を操る神の意志と呼ばれるものは一人ひとりの個の中に存在し、
人は気づかずも見えない必然の鎖に繋がれ限られた自由を行使している。
そんなことを感じ、思いました。

評価をあともう一歩のところにしたのは、またいずれ読んだときに、
新しい感動があることを願ってのものです。
ベストセラー物ですが、尚多くの人に読んでもらいたいと思います。
原文に忠実な翻訳ということで ★★★★★
他の評者の方たちも指摘しているように、コラムや地図が充実していて、作品鑑賞にとても役立ちます。
訳者があとがき(Q&Aというかたちです)で、この翻訳では原文に忠実にすることを一番重視したと書いています。
そうした訳者の姿勢にかかわらず、2,3の方たちのおっしゃるように、原文を見なくても、明らかな誤りと思われるところが何カ所かあります。3千ページに近い作品ですから、誤訳があるのは当然でしょうが、こんな素人にも分かる誤訳があるのは、全体として明確でリズムのある翻訳であるのに残念です(付録に力が入りすぎて、本体が少しなおざりになっているような・・)。
他の翻訳をすべて点検していませんが、おそらく別のものも、同様な誤訳はあることでしょう。
私は、原久一郎の翻訳と照らし合わせながら、読みました。英訳もよさそうですね。

それでも、この作品を翻訳という眼鏡を通して読みながら、アンドレイ、ナターシャ、ピエールが間近の人間として感じられ、その生活の展開にはらはらする(結末は分かっていても)のは、不思議です。彼らの行動、思想、感情を通して、トルストイの人生観が垣間見えます。人生は矛盾に満ち、不合理や不正があふれ、何より、自分という人間が弱く貧しくとも、それでも生きるに値するものであることを、トルストイは情熱をこめて、訴えているようです。

この作品(私は叙事詩がふさわしい呼び名と思いますが)を読み、あらためて、自分、周囲を見つめ直すと、生活が変わってゆかざるを得ません。「戦争と平和」を読む、読まないは、読者の自由ではなく、必然性(エピローグで自由と必然性の関係が詳しく扱われています)の問題であり、手元にこの作品がありながら、読まずにいるひとは、そういう必然性があり、読む人は、やむにやまれずに読む、そうした文芸作品だと考えています。
壮大なスケール ★★★★★
長くて登場人物がやたらと多い小説と言うイメージでした。読んでその通りだと思いました。人によっては登場人物名をメモしながら読む人もいるとか。私はそれを怠ったため、途中でわけが分からなくなったりしましたが、壮大なドラマの中で人間の躍動を感じました。途中でまるでお経を読んでいるような錯覚も覚えましたがそれはそれでいいのかもわかりません。古いほうで読んだので字が小さかったのですが、改訂版の方は字が大きいので、そういう意味では「戦争と平和」購入するの早すぎたかなと少し後悔しています。また機会があったら再読、再再読としてみようかと思っています。
翻訳に幾分問題が ★★☆☆☆
「戦争と平和」は文句なく、トルストイの最高傑作で文学の最高峰だと思う。
若い読者にもぜひ読んでもらいたい。
この岩波版は、詠みやすくするために、当時の歴史背景のコラムを入れるなどの努力をしている。
ただし、肝心の翻訳に問題がある。
たとえば365頁「ネスヴィツキーはふり返った。そして、動いて行く歩兵隊の生きた塊をへだてて十五、六歩離れたところに、赤くて、黒くて、髪がもつれて、帽子を後ろにずらして、上着を小粋に片方の肩にひっかけたデニーソフを見つけた」
これで、読者の方は意味がわかりますか?
コラムや歴史背景の説明に力を注ぐのなら、なぜそれと同等の力を翻訳の文章をブラッシュアップすることに力を注がないのか。
幸い、「戦争と平和」は他の複数の出版社から翻訳が出ている。これから「戦争と平和」を読もうとする方は、他社の翻訳と比較して、自分にとっていちばん読みやすく面白く訳していると思える翻訳書を選んで欲しい。そしてこの文学の圧倒的な感動を味わって、人生の糧にしていただきたい。








作者の戦争体験が活かされている ★★★☆☆
 言わずと知れた、世界的名作である。誰もが読むべき作品であることは、疑いないだろう。もっとも、第一巻は導入部分で本格的には始まっていないので、私には少々退屈な部分もあった。面白くなったのは、第二巻の途中からである。
 しかしこの巻にも、後年の作品に見られるような「トルストイらしさ」がしばしば感じられる。たとえば、ピエールとアンドレイが冒頭の会話で女について語っている。

アンドレイ「……全体に女がいったいどんなものか、君がせめて知ることができたらね!僕の親父の言うとおりだ。エゴイズム、虚栄、頭の悪さ、万事につけてくだらないこと、ありのままに正体を見せれば、これが女さ。……君、結婚なんかするな」

ピエール「どうにも仕方がないんですよ、あなた。女ですよ、あなた、女ですよ!」(アンドレイに女遊びをやめろと言われて)

 このあたりの描写は、『クロイツェル・ソナタ』などと比べてみると面白い。戦場の場面をかなり長く書いているのも、クリミア戦争に従軍したトルストイならではである。