明治維新が始まろうとする鼓動が聞こえるようだ。
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いよいよ倒幕を目指した明治維新が始まろうとする。竜馬は、一点の迷いもないようで水を得た魚のようにスイスイと動きまわる。その様子が軽やかな描写であり興味深く読んだ。
いよいよ佳境へ!
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前巻では、維新に至る背景を描く為、竜馬の活躍が少なく、長州藩の動向が中心といえる1巻でしたが、この巻では、再び、竜馬が活躍してくれます。この巻のハイライトは、何と言っても、薩長同盟。長らく、反目しあっていた薩摩と長州ですが、竜馬の奔走により、手を結ばせてしまい、一挙に、時代は、倒幕へと進む下地ができます。
竜馬の思想・行動で、非常に感銘を受けるのは、上士、郷士、藩といった小さなこれまでの古い世界観に留まることなく、これまでにない、新しい世界観(=日本人)が優れていると思えば、それに従って、突き進むことでしょうか。自分の仕事を振返っても、既成概念にとらわれて、小さい仕事をしていてはいかんぜよと反省させられてしまいます。
などというごたく以前に、面白い本ですので、多くの方に読んで欲しいです。
明治維新は無血革命だと思っていた自分の浅はかさに気付く。武市半平太の切腹は真に心が痛む。
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教科書というのは何なのだろうと思う。幾分のデフォルメがあるとはいえ、幕末の数年間にはや1700ページもかけて向き合っていると、人ごと、歴史ごととは思えない当事者意識が芽生えてくる。
思い叶わねば切腹、反逆の嫌疑で命じられ切腹、今の時代自殺はあっても、自分の腹を自ら割いて自害するなどということは、今の私からは考えにくい。思想の違い、主義の進め方の違いで、多くの志が若くしてその命を散らしていった。
今を生きる者として、当時の散った魂の無念さを少しでも感じ取り、彼らが目指した地位に差別なく、自由に生きれる世の中が今であることの有難さを静かに感じ、感謝する。
参考になった個所は以下の通り、
→なまなかなことで、世の中は変わらぬ。間崎らは死んだが、いつかはこの天下をわが手で覆して彼らの霊を慰めてやる
→昭和初期の陸軍軍人は、この暴走型の幕末志士を気取り、テロを起こし、内政、外政を壟断し、ついには大東亜戦争を引き起こした
→攘夷活動
外国政府に対して、日本人が他のアジア人と違い異常な緊張力をもっていることだけは十分に示現した。
日本は、トルコ以東において西洋人侵略されなかった唯一の国であるといういい結果
→高杉晋作
士農工商の階級を撤廃した志願兵軍隊を創設
→人間の文明の発展というものに参加すべきだ。そうあれば、三上ヶ岳の不滅の燈明のように、その生命は不滅になるであろう。
→政治というのは、庶人の暮らしを立てさせてゆくためにあるものだ
→「もっとも」
と竜馬は言葉をつづけた。
「こんな時勢に悩んでいてもはじまらない。自分の信念だけが頼りなのだが」
→が、時勢は動いている。
それを横目で見ながら、こういうまわりくどい道をひとり歩くというのは、よほどの忍耐力が要った。
着々と礎を固める竜馬
★★★★☆
志士たちの狂想から距離をとって独自の道を歩む竜馬の生き方がうまく描かれている。ここに竜馬と本書が世代を超えて指示される秘訣があるのだろう。本巻では京の政変で物語がダイナミックな展開を見せるが、やや物語の展開が遅く、若干マンネリ的なものを感じてしまった。とは言え、読者に読むのをやめさせない手法は司馬は知悉しており、問題なく最後まで読むことができた。
知っている竜馬
★★★★☆
武市半平太の死や千葉さな子と片袖の逸話など、
いわゆる知っている竜馬が登場してきます。
竜馬の心情や成長が、エピソードをつなぐように盛り込まれ、
非常に親近感が湧きます。
内容が密になってきたので、一気に読むというわけにはいきませんでした。
じっくり読むのがおすすめです。
ありがとうございます。
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ありがとうございます。