インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

新・平家物語(十) (吉川英治歴史時代文庫)

価格: ¥799
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
Amazon.co.jpで確認
朝日将軍木曾義仲、無念の最期・・・・。 ★★★★★
勇躍、上洛のさきがけとなった木曾朝日将軍義仲。
帷幕には四天王と巴御前、葵御前の女武者、‘勇将の下に弱卒なし’の
軍団は兵馬騰がり、文字通り連戦連勝で、平家の都落ちの直接の原因は
この木曾軍団の脅威からでした。

これほどまでに急いだ上洛でしたが、その胸の内には、鎌倉の頼朝への
敵愾心こそあれ、明確な治世の指針は無く厳粛な軍紀にも欠けていました。
都では数万の軍兵を養う糧は賄うのに難しく、折りしもの天候不順や飢饉は
この新参の‘闖入者’たちにはまことに厳しい現実でした。
乱暴狼藉、略奪のかぎりを尽くす木曾軍団は次第に求心力を失っていきます。

義仲は昇殿ののち、後白河法皇から‘朝日将軍’の称号を賜るのですが、
この後白河法皇、その権謀ぶりは到底義仲の手中に納まるものではなく、
戦には勝ったものの、ついに都の表裏に勝てなかった・・・・義仲でした。

義仲を巡る女たちとの描写は実はこの巻の一番の読み処、
特に冬姫とのくだりの見事さには溜め息の出る思いがしました。
吉川先生の紡ぎ出す美しい言葉の数々は情景に奥行きを加え、
体温さえ感じられるほどです。

やがて義経・範頼が進駐する頃には、義仲と義仲軍に運も天も背を向け、
一度は都を制覇した驕児木曾朝日将軍義仲は粟津原にその生命を
終わります。わずかに31歳でした。

ここから、場面は源平の雌雄を決する名高い戦の数々が
展開されて行きます。