不動智神妙録は禅僧、沢庵宗彭の記したものというのは周知の事と思いますが、
既存の書のように、ただの訳によらず、
「武術剣術の心法」の観点のみから注解させていただきました。

無住心剣術、法心流、夢想願立流の伝書もふまえ、出来るだけ武禅について解きました。
剣術武術の上達の過程で技に膿み壁に突き当たったときに、
次の段階へ行くための「心法」のテキストとしてお読みいただければと思います。
資料としての不動智神妙録ではなく、活きた伝書とすべく、武術的に偏らせ、
武術の達者を目指す方に対してのみ注解したものですので、
武術に興味のない方には向かない内容になっております。

心法は説明しづらく極力わかりやすく重要な点を述べたつもりですが、
読み手の錬度で理解度も変化してゆくと思います。
不動智神妙録が４００年近くも人々に読まれているものです。
本書で理解できないところや納得いかないところがあっても、修行の錬度や進行具合で、
見解も理解度もまた変わってくると思いますので折に触れ読み返していただければ、
修行の一助としていただけるとおもいます。