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幸福論 第2部 (岩波文庫 青 638-4)

価格: ¥1,048
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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第2部に至るも、飽きることなく読め、そして慰められ、勇気づけられる名著である。道徳的な人生論というよりは、悩める者に人生の知恵を与え、また明日の人生に立ち返る勇気を起させるものである。 ★★★★★
 川の流れは、山から大海に向けて、急流もあれは、ゆったりと流れる場所もある。退屈な風景の場所もあれば、前に注意を集中しなければならない濁流もあろう。当該著書は、そうした川下りのように、様々な風景を見せながら、多様なテ−マが取り上げられる。気を抜いて読むところもあれば、気の抜けないところもある。「熟年」に相当する世代にとっては、自分の人生を振り返り考えもし、また足許の人生を切実に感じながら読み進むこともある。

キリスト教が著者の土台になるため、宗教色を払拭することはできない。ただ、宗教色が強すぎて、頑なさがどうにもならないという程ではない。不満なら、それなりに読み流すことで十分対応できる程度であると思う。
当該著書後半の「超越的希望」、「キリスト教序説」「人生の段階」は、単独に読んでも、十分に含蓄のある内容と思われ、是非お薦めする。
 
以下、いくつか、心に残る格言を引用してみよう。

・憂いなしには、人間生活はありえない。憂いをもちながら、いや、しばしば多くの憂いを負いながら、こころ憂うることなく生きること、これこそまさにわれわれが修むべき生活技術である。
・神が人間に「宿る」ことができるためにまず原則的に捨て去らねばならぬものは、享楽と富と、名誉と、そして人間への依頼心とである。ところで、このようなものをひとたび捨て去ったときに、おのずからしだいにその人の心から消え失せるものは、恐怖と、怒りと、苦痛な無力感と不安である。
・われわれがある人を本当に知るには、その人が働いているとき、すなわち、男子ならばその職業で、女性ならば家事で働いていりときが一番よい。
・最も容易に人間を見わけるには、その人が生涯の努力の真の目標と考えているものを知ればよい。もしもその目標が、権力とか享楽とかにあるならば、そうした人には全幅の信頼をよせるわけにいかない。
・本当に謙虚な人は、およそ自分については、善かれ悪しかれあまり話したがらず、他人が自分に構ってくれることなど少しも望まない。
・本当に気高い心があるかどうかを知る最上の試金石の一つは、長い間の不幸、あるいはまったく絶望的な不幸にある他人に対して示すそのひとの態度である。
・不幸に陥ると、その途端にびっくりするほど友人が少なくなるのはなぜか、・・・・。
・交際相手として決して愉快ではないが、しかし最も役に立つのは、敵であろう。
・怨み、遺恨、邪推は常にけちくさい心のしるしである。それくらいなら、いっそ復讐するがよい。無力な憎悪はまったく卑しいものであり、その上、敵をではなく、ただ自分を、傷つけるだけである。
・内的不満はすべて、官能もしくは利己心から生じる。そういう不満の根源をさぐれば、必ずこの二つのものがその根本原因となっている。
・大いに賢い人でさえ、時として、不可解な、まったくいわれのない信頼を幸運に寄せていることがあるが、しかしいつかは必ず幸運にすっかり見すてられるものである。しかも、それはたいてい、折りも折り、彼らが決定的に幸運を我がものにしたと信じて有頂天になったその瞬間において、である。
・ひとはこうした運命を自分で造り出すことはできない。少なくともこの点では、人が自分の運命の鍛冶屋でないことは確かである。
・要するに、人間は自分の持って生まれた素質とまったく違ったものにはなれない。
・このような試練から、まず、徹底的に謙遜な、もはや少しも己惚れない人間が生まれてくる。たとえば、なんでも自分に与えられるもので満足する人、また、自分はこれ以上のものを与えられる値打ちがないのだと考え、現状よりも一層悪いものでも、それが正当にさえ起こるのなら、それも自分にふさわしいと思う人、さらには、神のみこころであれば、どんなことでも、甘んじて受けることのできるような人がそれである。
・人生の最後の合言葉である従順ということも、すでにそこに含まれている。たとえ最上の意味でなされるにせよ、およそ自分自身のため、自分の向上のためになされることはすべて、何といってもなお、いささか利己心のあと味が残るのだ。
第一部よりは読みやすい ★★★★☆
 第2巻では、人間知や教養について述べる。古典に学び、敵からですら自分の客観的な姿を学ぶことは可能で、若者はひたすらに高貴な魂を求めるべきであるとする。
 敬虔なキリスト教徒であるが故、ヒルティは教会のあり方に疑問を投げかけ、ローマ帝国の時代からすでに教会が権力にしがみついてきたことを批判する。
 最後に人生を4段階に分けて望ましい生き方を述べる。初期には神の教えに従い、利己心を捨てることを学び、中盤には仕事に熱中し、一線を退いてからも新しい事を学び、前途の計画を立てることで生涯を完成し魂の平安が得られるであろうと。
人生論のタイトルでもよい ★★★★★
評価の星は5つ以上限りなし。おおげさに言うと全部のページにラインを引きたくなる。
「人間の内的生活のおおきな進歩は、たいてい諦念によって始まるものであり、諦念によって精神的進歩という褒章がうまれるのだ」
すぐに買って読みましょう!声を特大にして言いたい。