全体を見れば少なくない量だが、前半7巻の出来事は親しみ易く、登場人物たちへの感情移入も容易である。また、ノーベル文学賞受賞の『1914年夏』を含む後半6巻は、世界史の復習にもなる作家からの伝言であり現代への予言でもある。 登場人物の人生の展開は、この小説では特に読み手の楽しみになるとの観点から、以下人名を伏せ各巻の印象のみを記したい。 蛇足ながら、上記観点から本巻末の「訳者あとがき」と「解説」は最終巻読了まで読まずにとっておくことをおすすめする。